帽子OEM・ODM「株式会社　島田」が手がけたオーダーメイド製品の事例詳細ページです。

株式会社島田の寳田です。
当社にとっても手に汗を握る今回のご依頼は、西陣織の雰囲気を活かしたハンチング帽子のOEMです。
会社の一世一代の勝負で失敗すれば廃業も考えている、という覚悟の上でH社様からご依頼いただきました。H社様は西陣織を若い世代にも伝えたいという強い想いをお持ちで、様々な物を作られています。

それでは早速作業の説明に入りたいと思います。

ーー裁断・縫製：基本的なパターンを使いながらも縫製にはこだわりを

まずはパターンに基づいて裁断していきます。
頭の部分となる4枚のパーツを生地から裁断していきます。
2つのパーツを2枚ずつ、頭の頂上から右側・左側の2つを作ります。最後にそれらを縫製するという流れです。

特に形やシルエットに要望等は無くお任せいただいておりましたので、当社が保持している既存のパターンを使用して作製していきます。

縫製している様子です。ハンチングは曲線部分が多いので、ズレが出ないように細心の注意を払いながらミシンを動かしていきます。

4つのパーツを縫製し終えたら、縫い代を割りアイロンで開いていきます。

今回は裏地を付けるのでテープ仕上げではなく、開いた縫い代の部分をミシンで縫って固定していきます。裏地を付けた時のごわつきを抑え、スッキリと仕上げることができます。

ーーツバの土台作製：インチテープを使って頭のサイズ感を固定

次にツバの土台となる部分を作っていきます。
ハンチングの頭部分を裏返した状態で土台となる生地を縫製していきます。

表に向けるとこのような状態になっています。

表にした状態で裏地を縫い合わせていきます。裏地の方が表地よりも円周が短くなるので、縫い代を深めに取っておく事が大切なポイントです。

この後に登場するのが「インチテープ」です。頭のサイズ感をしっかりと固定させる役割があります。
インチテープを帽子内側の円周をなぞるように縫い付けていきます。

ここまでくると頭本体はある程度完成です。

次にツバ部分を作っていきます。

ーーツバ本体の作製：シワにならないように細心の注意を払いながら

袋状になった生地の中にポリエステル製の芯を入れ、固定するように芯の横を縫っていきます。前回の花柄キャップの作製時にもありましたが、ここでの必需品が「目打ち」というアイスピックのような道具です。

生地を引っ張りながら縫っていかないと生地にだぶつきが出てしまい、波打つようなシワが入ってしまいます。

ミシン用の定規を使いステッチを打っていきます。写真中央にある金色の小さな金具が定規です。
針から一定の幅に固定することで決まった間隔で縫製することができます。

ミシンの針が通る位置をなるべくずれないようにするため、固定された定規に縫い物の端を当てながら縫製していきます。

ステッチが打ち終わると、ツバの余分な部分をカットします。

ーーツバを本体と固定：帽子OEMのプロの腕で難しい作業もスムーズに

本体とツバの部分を縫製するまとめの作業に入っていきます。帽子本体の円周部分とツバの曲線の部分を左右対称になるように縫製します。

先程ツバの作製段階で入れたステッチの上から合わせるように縫い、本体と縫製していきます。これで本体とツバ部分がしっかりと固定されました。

最後の作業として、汗取り部分に当たる「スベリ」を付けていきます。特殊なミシンを使用し縫製するのですが、内側の縫い代を見ながら作業することができないので、手の感覚を頼りに行う難易度の高い作業です。

以上で完成となります。

ーー西陣織ハンチングのサンプルが完成！

帽子の形や縫製に関して大変満足いただきました。ひとまずはこの帽子の反応を見てみたいという事で、20個の受注となりました。またキャスケット以外に何か作れるものは無いかと社内で試行錯誤し、カンカン帽の飾りとして活用してはどうかという提案もさせていただきました。

ーー西陣織の飾りが素敵なカンカン帽を提案

西陣織の生地をリボン状にし、その上からグログラン地でリボンの形を象っています。少しコストが高くなるので受注には至りませんでしたが「こんなこともできるのですね」と感心しておられました。

株式会社島田では、お客様のご要望に合わせて帽子のOEM（設計）からODM（製品開発）まで柔軟にご依頼を承っています。完成イメージを共有いただければ、デザインや素材・シルエットなどのご提案が可能です。当社の職人（クリエイター）によるメイドインジャパンの魅力的な帽子づくりをご提供します。

既存ブランドの新規作製案件はもちろん、新しくブランド設立をお考えの方やハンドメイドの製品をご希望の方向けに、1点からの作製にも対応しておりますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

株式会社島田
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